乃木坂46の39枚目のシングル「Same numbers」が、2025年7月30日にリリースされた。夏らしい爽やかさに包まれたMVだが、この作品を何度も繰り返し見ていると、ただのサマーソングではないことに気づく。
彼女たちはこの世界の中で、踊り、歌いながら、悲しい過去を取り戻そうとしているのであろう。失敗のたびに「時」は何度もリセットされ、悲しみに包まれ、涙し、苦悩する。
試行錯誤を繰り返すことで「あること」に気づく。
── 過去を取り戻す「祈りの歌とダンス」──
数字がそろう瞬間
「Same numbers」は“同じ数字”と訳される。しかし、それは単なる一致を意味しない。
フォーメーションが完成するたびに、メンバー一人ひとりの個性や違いを抱えたまま、全体がひとつの数字に揃う。その瞬間は偶然ではなく、努力と信頼の積み重ねから生まれた必然だ。数字が揃うたび、観る者は「一緒にいることの強さ」を感じ取る。
踊りの意味
乃木坂46にとって踊りは歌詞の補足ではなく、歌詞と同等の言葉である。声よりも身体の動きの方が誠実であり、嘘を許さない。全員が揃って初めて成り立つ振り付けは、「私たちは同じ場所に立っている」という宣言であり、誓いだ。踊りそのものが、Same numbersを可視化する。衣装の変化も秀逸だ。赤と青が混ざり合い、乃木坂カラーの紫へと導かれていく。
祈りの気配
MVには祈りに似た仕草が多く見られる。手を空に掲げる姿、目を閉じる一瞬。それは宗教的な儀式ではなく、切実な願いに近い。誰も欠けることなく、同じ数字であり続けたい。その祈りが、踊りと歌に染み込んでいる。観る者はその祈りに触れ、自分の心の奥にある「やり直したい瞬間」を思い出す。
過去を取り戻す営み
ディジタル時計に映る「88:88:88」という表示は印象的だ。本来あり得ない数字は、リセットを意味する。時間をただ進めるのではなく、もう一度最初から刻み直す。
MVの中で繰り返される踊りと歌は、失った時間を呼び戻すための営みであり、過去を取り戻すための祈りだ。
8と∞のつながり
数字の「8」は横たわると「∞(無限)」になる。有限の数字が無限へとつながるように、彼女たちの姿も一瞬の輝きにとどまらず、永遠へと伸びていく。踊りと祈りは一度きりではなく、観る者の中で繰り返し蘇り、無限に広がっていく。
神様がくれたもの
神様がくれたものは、特別な才能や輝きだけではない。「君にとっての数字があるよ、気づいてごらん」というシンプルなメッセージである。歌詞やMV、至る所にメッセージが込められている。「そんなことないよ」と思うかもしれないが、今回選出されつたメンバーはそんな「数字」を持っていないだろうか?
センターと「8=∞(無限)」のつながり
センターは賀喜遥香。8月8日生まれ、彼女は8に選ばれ、8に導かれ、8に愛されたセンターだ。彼女の存在は「∞(無限)」の象徴でもある。賀喜はメンバー全員をつなぐハブとして立ち、光を中心に集めるのではなく循環させるその様は、数字の「8」を横にした∞に通じる。
フロントの「さくみく」と“39”の符号化
フロントメンバーの2サイドには5期生の川﨑桜と一ノ瀬美空、通称「さく」「みく」コンビが選ばれた。この“39”枚目シングルのフロントを担うことに感謝(39=サンキュー=ありがとう)と未来への期待が込められているようだ。歴史を繋ぎ、次世代を導く象徴として、この配置は偶然ではない。
888回目のスタジオ収録“Same numbers”初披露
ファンの間では、YouTube企画『乃木坂配信中』の888本目の配信が「Same numbers」のスタジオ初披露だったと話題になっている。888という数字がもつ“8=∞”との象徴性と重なるこの話題に、さらに深い意味が感じられる。
「Same numbers」は夏のサウンドに包まれたポップソングでありながら、同時に“祈りの歌と踊り”でもある。88:88:88に刻まれた数字のリセットは、過去を取り戻す合図。揃うことで未来を信じ、誠実さを携えて歩むための祈りと誓い。そのすべてが、この一曲に込められている。


コメント